米連邦公開市場委員会(FOMC)は1月30-31日に開催した定例会合で、主要政策金利を据え置くことを決定した。金利据え置きは4会合連続。また金利引き下げにオープンな姿勢を示唆した。だがパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、3月の利下げ開始を期待する投資家に冷や水を浴びせた。フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは5.25-5.5%。
FOMC声明:目標へのリスクバランス改善、確信強めるまで利下げない
FOMCは会合後に発表した声明で、「委員会はインフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信を強めるまで、誘導目標レンジの引き下げが適切になるとはみていない」と記し、利下げを急いでいないことを示した。
パウエル議長も記者会見でこのメッセージを補強する形で、「3月を利下げ開始の時期と特定するような確信のレベルに委員会が同月会合までに達しそうだとは、私は考えていないことを言っておきたいが、まだそれは分からない」と発言。3月利下げは「最も可能性の高いケース、ないし基本シナリオと呼ばれるものでは恐らくないだろう」と述べた。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、声明発表後の記者会見で「政策金利は今回の引き締めサイクルにおけるピークにある可能性が高く、経済がおおむね予想通りに展開した場合は景気抑制的な政策を元に戻すことが適切になる公算が大きいとわれわれは考えている」と発言。「適切だと判断すれば、われわれは現在のFF金利誘導目標レンジをより長期にわたって維持する用意がある」と述べた。
FOMCは当局のバランスシートについて、毎月最大950億ドル(約13兆9500億円)での縮小を続ける意向を改めて示した。
パウエル議長はバランスシートについて、3月会合で踏み込んだ議論を開始する予定だと記者団に語った。
議長は「プロセスの継続とともに、ランオフ(償還に伴う保有証券減少)のペースに関して疑問が一段と明確になり始める時期に近づきつつある」とし、「われわれは次回3月の会合でバランスシートの問題に関する踏み込んだ議論を開始する予定だ」と述べた。