1月の東京都区部の消費者物価指数(速報値)は、値動きの大きい生鮮食品をのぞく総合指数(2020年=100)が105・8となり、前年同月より1・6%上がった。政府の補助金で電気代や都市ガス代が大幅に下がったうえ、食品の値上げが一段落。伸び幅は3カ月連続で縮小し、20カ月ぶりに2%を割った。専門家からは「予想以上に物価の伸びが鈍る動きが速まった」との指摘も出る。
指数の伸びが鈍った理由は、光熱費の下落だ。電気代は前年同月より22・2%、都市ガス代は24・7%下がった。補助金の効果で、指数の上昇率が0・5%分押し下げられた。 電気・都市ガス代に対する補助金は昨年2月の請求分から始まった。来月からは補助金の効果が一巡するため、全体の指数はいったん上昇するとみられる。ただ食品を中心に値上げの勢いは弱まっている。新年度後半にかけて、物価の伸びは緩やかになりそうだ。