相場はいつもトレーダーの迷いの中で上昇しています。実際に、「迷い」は、多くのトレーダーの夢を葬った穴だと思います。迷いとは損益を気にすることです。例えば、取引シグナルに遭遇したが、騙しを恐れてエントリーできなかった。また、ポジションを持っている時、心理状態は損益の変化に従って変動しやすい。損切り価格に達したがイグジットしないで、邪な気持ちを抱いている。そして、利益がある時は、価格の逆行に納得できない。など……心理学者の間では、その目的を達成するために常に損益を気にする心理状態を「ワレンダ要因」と呼んでいます。
ワレンダは米国の有名な綱渡りのパフォーマーです。彼は重大な演技の中で、不幸にも転落死しました。後に彼の妻は、今回必ず事故が起こることを知っていたと言いました。彼は演技に出る前に『今回は重要すぎて失敗してはいけない』とよく言っていたみたいです。以前は成功するたびに、このことがもたらす可能性のあるすべてにかかわらず、綱渡りそのものだけを考えていました。
このような心理状態は取引でもよく見られるでしょう。取引では、このような迷いを避けなければなりません。決断をしないことで、かえって影響を受けるからです。
トレーダーはなぜいつも損益を気にするのでしょうか。
例えば、金やFXのような証拠金取引は、レバレッジの作用でリスクも収益も倍増する可能性があります。多くのトレーダーは取引の過程でいつも損益を気にして、取引がうまくいきません。1つの重要な原因は持ちポジションが多すぎるため、潜在意識の中には不安があり、自分の操作ミスによる大きな損失を恐れているからです。
このような損益を気にする心理状態によるマイナスの感情は絶えず激化し、トレーダーは頻繁に取引する可能性があります。簡単な例を挙げます。多くのトレーダー、特に初心者は、取引中に何度も損をした後、自分の次の取引も損になるのではないかと心配し始めます。この場合、迷いや葛藤の感情に支配され、結果的に取引チャンスを逃してしまう可能性があります。後で気づいて後悔したとき、また急いでエントリーし、再び損失を出したかもしれません。
以下のような状況では、トレーダーは得失を気にしやすい傾向があります。
1、取引における一時的なお金の損得を過度に重視する。具体的な表現としては、損をしたときは、次にそれを取り戻すことを考えています。お金を稼ぐ時はいつも利益が逃げるのを心配して、早め利確しようと思っています。
2、取引ポジションの比率が大きすぎる。貪欲と恐怖は人間が完全に抜け出すことができない弱点であり、多きなポジション取引は往々にしてこれらの弱点を拡大します。ポジションが大きすぎるの上、レバレッジの役割を加えて、大きな相場の変動でなくても、ジェットコースターに乗っている気持ちにさせてくれます。
3、相場チャートを長時間監視する。チャートを見ることはトレーダーの必修科目と言えます。しかし、監視する時間が長いほど良いというわけではありません。相場チャートを監視する時間が長くなると、敏感になりすぎてしまうかもしれません。気持ちも価格変動によって変動し、不理性的な判断を下す可能性があります。
4、明確な取引計画がない。前述したように、損益を気にするトレーダーは相場チャンスを逃すことを常に心配しています。その原因は、やはりトレーダー自身が明確なエントリー計画を持っていないからです。どんなチャンスが自分でつかむべきなのか分からないので、すべてのチャンスをつかみたいと思っています。
以上はその一部の原因であり、他にもいくつかの原因があります。例えば、トレーダーの心理的素質が悪いと、このような問題にもつながります。次に、それを克服する方法を見てみましょう。
どうやって損益を気にする心理状態を克服するのか?
まずは自分の態度を正し、正しい取引価値観を確立しなければなりません。
具体的な方法は以下の通りです。
第一に、明確な取引目標を持つこと。自分が待っている取引チャンスが何なのかを知る必要があります。さもないと、すべての相場の変動があなたにとってチャンスだと思うでしょう。相場に変動がある限り、ついエントリーしたくなります。自分が待っている取引チャンスが何なのか分からないときは、大相場を逃すことを恐れている心理が常にあなたを誘惑しています。エントリーしなければ、お金を稼ぐ機会を失ってしまうと恐れています。
市場で最も欠けてはいけないのはチャンスだということを理解することが必要です。しかし、すべてのチャンスをあなたが把握できるわけではありません。だから、自分が待っているのはどんな取引チャンスなのかを知っておく必要があります。例えば、ある節の突破、それとも相場の逆行など。
第二に、一夜にして金持ちになるという考えを持ってはいけない。成金の考えもトレーダーの心理的ストレスを激化させ、損益を気にする心理状態を招くことが可能です。急速に金持ちになりたい、あるいは毎日お金を稼ぎたいと思っている人は、実は知らず知らずのうちに自分自身のストレスを増大させています。取引は、取引ごとに利益を追求するのではなく、安定した利益を追求すべきです。追求すべきなのは長期的に安定した利益を得ることです。例えば年間収益が50%以上になれば多くの人を超えることができます。資金が拡大してから、年に30%ぐらいの収益を得ることができるのも素晴らしいことです。ポイントは長期的に安定することです。
第三に、スキャルピングをしない限り、常にチャートを監視してはいけません。長い間じっとチャートを監視すると、チャンスは一瞬にして消えてしまうような感覚になり、いつまでもエントリーしたくなります。その結果、あなたはまだ決済をしたばかりで、相場がまた上昇したのを見て、この相場チャンスを逃すのを恐れて、本当に上昇傾向なのかリバウンドなのかさえはっきりしていないまま、すぐにエントリーしたかもしれません。これにより、最終的には頻繁に損失を招くことになるでしょう。
長時間チャートを監視することにはもう一つの弊害があります。それは、自分の気持ちが価格とともに変動し続けることです。これにより、客観的な判断能力を失いやすくなり、保有すべきポジションを早めに決済にする。または損切りすべき時に、直ちに損切りしなかった。などのことが発生する可能性が高くなります。
だから、常にチャートを監視する習慣を改めなければなりません。取引以外にも、他の趣味を育てることがお勧めです。趣味があれば、注意力を分散することができて、あなたが望むチャンスを待つことができます。そうしないと大変なことにると思います。「待つ」ということは大変な過程です。
第四に、正しい取引価値観を確立する。多くの人は最初から利益の多さで自分の取引が成功するかどうかを測ることに慣れていて、それは往々にしてトレーダーを岐路に立たせます。正しい取引価値観は「損をしなければ儲かる」ということです。このような価値観を打ち立てると、自分の気持ちにも変化が起きていると思います。何度かエントリーチャンスを失っても、くよくよするのではなく、次のチャンスが来るのを楽観的に待ちましょう。
損益を気にする心理状態は、トレーダーのお金への執着に由来することが多いです。損益を気にするの心理状態から抜け出すには、トレーダーは正しいお金の価値観を確立する必要があります。
以上の話のほとんどは心理状態と関係があります。しかし、取引心理状態は重要だが、良い心理状態だけで成功するわけではありません。技術と心理状態どちらも欠けてはいけないのです。
だから第5は、しっかりとした取引技術を身につけることです。比較的成熟した取引システムを構築し、テクニカル分析またはファンダメンタルズを研究しなければなりません。ある商品の価格変動に影響する要素をすべて研究してこそ、正解率を高めることができます。
正しい取引チャンスを掴むには、しっかりとした理論的基礎を備え、それを学んで応用し、学んだ知識の理解を強化する必要があります。実戦を通じて理解を深め、その中から自分の成功率が最も高い取引戦略(エントリー、イグジットタイミング、損切りなど)を選択します。時間が経つにつれて、自分に合ったシステムを形成することができて、どのような取引チャンスを自分で把握すべきなのかを深くわかることが出来るようになります。